2008年11月22日

today(old story)

昔話をしたがるのは歳を取った証拠かな?

俺がどれだけ馬鹿者であるか、それはこれまでも触れてきたけど、俺は本当にバカだった。1つ言い訳をするなら、犬も躾をしなけりゃ単なる野良犬って事だ。

所謂、思春期。自分自身、自覚はなくとも荒れてるって時期だ。高校もわずか一学期で中退、16からの一人暮らし、最初の住居も町内総出の苦情。これまたわずか半年足らずで追い出され、次に住んだ1ルームマンションもあっという間に溜まり場と化した。日替わりに多い時は、6〜8畳程度の部屋に男女合わせて(過半数は男)30人近く溜まる日もしょっちゅうで、友達の友達、市内中の高校の生徒が揃ってたね。ニートも含め、時には他県の奴まで居たよ。今、イベントにそいつら全員集めたらフロアは完全にパンパンだろう。これは大袈裟でも何でもなく本当の話。

俺も賑やかなのは好きだ。色んな奴が俺の名を呼び、集まってくる事を喜んだ。慕われてる様な気がしてね。そして、その中の誰よりもバカをする様に務めた。危ない事も、バカらしい事も、行く当てのない奴の世話も。みんなが喜ぶならヤクザでも殴ったよ。毎日が楽しくてしょうがなかったね。でも、そんな日は長くは続かない。きっちりツケは回ってくるよ。『あの子のせいで、うちの子が』色んな家の親が騒ぎ出した。一度もこっちから呼んだ事なんかないのに、まるで俺が監禁してるかの様な騒ぎで怒鳴り込んできた。結局、一年足らずでその部屋も追い出される事になったよ。

親にも見切りを付けられた一月七日。荷物を撤去するのに駆けつけてくれた友達は二人だけだった。

その日は駆けつけてくれた友達の家に泊まり、翌日からみんなを当てに、公衆電話から電話をかけまくったね。その時の俺は自分の親が何処に住んでるかも知らなかったから、頼るのは友達しかいなかった。何度か泊めてもらったりもした。けど、すぐに行く場所は無くなった。居留守だったり『今日は用事が..』『親が..』と理由は様々。当然だ。みんな迷惑に決まってる。それから深夜中、歩き回り、太陽が出たら日当たりの良い公園のベンチで少し眠る。そんな日を繰り返したよ。でも季節は冬だ。凍死しなかったのが不思議なくらいで、そんなの続くはずがない。

迷惑がられる事が怖くて何度もためらったけど、その日の夜の11時、寒さと疲れで身体は限界だったよ。それまで一度も電話する事のなかった、うちに数回しか遊びに来た事のない一人暮らしの女の子に恥を承知で連絡してみた。理由を話し、一日だけと頼んでみたら静かに承諾してくれた。くたくたになって部屋に上がるとストーブがとても温かかった。迷惑がる様子もなく、何を聞く訳でもなく『コタツで悪いけど』と言って、インスタントラーメンを出してくれた後、彼女は自分のベッドに入った。

すべてが温かすぎたね。面白いからという理由でヤクザを殴ったりしてた俺がラーメンすすりながら、肩を震わせてボロボロと泣いたよ。

翌日、つけっぱなしのテレビの音で目が覚めた。すでに出勤してたようで彼女の姿はなかった。コタツの上に鍵と、もし出るならと鍵の置き場所を書いたメモがあった。きっと頼めば数日くらいは泊めてくれたんだと思う。けど、その娘がそこまでする義理はないし、その一日だけで俺には十分だった。メモに書かれた場所に鍵を置き、その場を後にしたよ。

それから一度も彼女と会うことはなかった。自分の事で精一杯できちんと礼すら言ってないままだ。ここで今、この話をしたところで彼女に伝わる訳ではないし、実のところ名前も覚えてない。でも、俺はあの日を一生忘れる事はないと思う。直接彼女に返す事は出来ない代わりに、彼女が俺にしてくれた事を俺も人に出来るような人間になりたいと思ってます。あの時は本当にありがとうございました。


I&I
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posted by INGENIOUS DJ MAKINO at 18:14| shout | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする